症例は25歳,女性.右側腹部痛と発熱を主訴に近医受診,腹部超音波検査にて肝腫瘤を指摘され当院へ紹介入院となった.HBs抗原およびHCV抗体は陰性,軽度肝機能異常,軽度炎症所見を認めるのみで,腫瘍マーカーは正常範囲であった.CTでは,肝右葉を占める巨大腫瘍で,充実性部分と嚢胞性部分が混在しており,充実性部分は早期相で濃染,晩期相でwash outされる肝細胞癌様所見を呈し,嚢胞性部分辺縁は淡く造影され中心部は全く造影されず,血管造影では腫瘍血管の増生と口径の不整が見られた.悪性肝腫瘍と診断し肝右葉切除術を施行した.腫瘍割面は充実性部分と嚢胞性部分が混在し,病理組織検査にて,細胆管細胞に類似した腫瘍細胞が小管腔を形成し,cytokeratin 7が陽性で抗肝細胞抗体が陰性であり,細胆管細胞癌と診断された.術後17日目に退院し,補助療法は行なわず,術後4年の現在,無再発生存中である.(著者抄録)
CITATION STYLE
TAMURA, R., OKAMOTO, T., KADOWAKI, Y., TAKAHASHI, T., SAKATA, T., & TAKAKURA, N. (2008). CHOLANGIOLOCELLULAR CARCINOMA PRESENTED WITH A LARGE HEPATIC TUMOR IN A YOUNG PATIENT-REPORT OF A CASE-. Nihon Rinsho Geka Gakkai Zasshi (Journal of Japan Surgical Association), 69(7), 1776–1781. https://doi.org/10.3919/jjsa.69.1776
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