Electron 3D Crystallography/3D ED/MicroED

  • YONEKURA K
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The scattering powers of electron and X-ray differ by 4-5 orders of magnitude. Thanks to this property, the electron beam yields high-resolution diffraction spots from undersized crystals of various samples, which are hard to grow to a suitable size for X-ray diffraction even with a high-intensity synchrotron radiation beam. Thus, the technique known as electron 3D crystallography/3D ED/MicroED is recognized as being important especially in synthetic chemistry, material sciences and related areas, while single particle analysis can be used for larger-sized proteins. Here I review this technology including our recent developments and results. 1.はじめに クライオ電子顕微鏡(EM)の単粒子解析が爆発的に 普及したことで, 「クライオ EM」というワードは単粒子 解析と同義と捉えられることが多い.一方,クライオ EM の専用機を含めほとんどの透過型電子顕微鏡装置は回 折モードや視野が逃げずに傾斜できるユーセントリック 試料ステージを備え,トモグラフィーや回折パターンの 測定にも利用できる汎用性をもつ.本稿の主題である電 子線三次元結晶構造解析 /3D ED/ マイクロ ED と呼ばれ る測定も,大きな改造をせずに始められる.ただし,画 像フレームを高速で読み出せるカメラは必要である.標 準的な手順では,高分子の単結晶から X 線回折を測定 するのと同様,微小な結晶を回転させながらその回折パ ターンを記録する.解析は X 線結晶構造解析で開発され てきたソフトウェアを大きな変更なく使える.一方,測 定・ 解析精度の向上や電子線と機器に特有な問題の解 決のためには,未開拓の領域は大きいと考えている.筆 者は 2015 年に顕微鏡学会誌, 1) 2017 年には本誌に解説 2) を,その他にもいくつかの短い和文の記事を上梓してき たが,当時はこの技術はあまり注目を集めていなかった. 現在,実用的な手法に発展しつつあり,広範に及ぶ研究 分野からの期待が非常に大きいことを実感している.そ こで,改めて,以前触れていないことを中心に最新の知 見に基づきまとめたい. 2.背景 凍結した試料を電子顕微鏡でそのまま観察するクラ イオ EM 法は,技術革新を経て大きく発展した.タンパ ク質分子の実像を画像解析する単粒子解析では,試料 を結晶化することなく,また,生理的イオン環境下やい ろいろな溶液条件で,高い空間分解能で構造を明らかに できる.一方,氷中で像の解像が難しい分子量 6 ~ 8 万 未満のタンパク質や複雑な有機化合物の構造解析には, 試料の結晶化が必要であることに変わりはない.ところ が,結晶作製は難しいことが多く,微小な結晶やごく薄 い結晶しか得られないこともよく経験される.強力な放 射光を用いても X 線回折の測定には小さすぎて使用でき ないこのような結晶からでも,電子回折 (ED) では高分 解能まで回折点が得られることも多い.これは,X 線に 比べ 4 ~ 5 桁も強い電子線の試料との相互作用のおかげ である. 3) 大きな散乱能は,軽元素で構成されるタンパク 質であってもある程度の大きさがあれば,一分子(しか も数十~数百 nm の厚みの氷に包埋されている)でも解 像できることに繋がっている. 逆に,試料の厚さは問題になる.特に,試料を傾斜さ せることが必要なトモグラフィーや結晶構造解析では 深刻である.60 ° まで傾けると電子線の透過パスは 2 倍 に増えてしまう.氷包埋されたタンパク質結晶や厚い試 料では,ステージを高傾斜に傾けた際,検出器まで届く 電子線の量が極端に減り,回折点の品質は下がる.目視

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YONEKURA, K. (2021). Electron 3D Crystallography/3D ED/MicroED. Nihon Kessho Gakkaishi, 63(3), 189–196. https://doi.org/10.5940/jcrsj.63.189

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