クビレズタCaulerpa lentillifera J. Agardh は陸上の養殖施設で生産されている数少ない大型藻類であり,本種の培養技術開発は,今後の大型藻類バイオマスエネルギー利用化に向けた陸上養殖の進展に大きく寄与すると考えられる。クビレズタは食用とされているが,最近では藻体に含まれている機能性成分を利用した商品開発も進められており需要が急増している。そこで生産性向上技術として注目されているのが二酸化炭素(CO2)を利用した藻類の生長促進技術である。これまでにもCO2をクビレズタの培養海水に添加すると生長が促進されることが報告されているが,培養中の環境要因の影響については明らかにされていない。そこで本稿では高濃度CO2海水でクビレズタを培養したときの生長におよぼす水温(20℃,25℃,28℃),光量子束密度(75 µmol m-2 s-1,125 µmol m-2 s-1,250 µmol m-2 s-1)および光周期(12 L/12 D,18 L/6 D,24 L/0 L)の影響について調べた。その結果,いずれの条件下においてもCO2添加によってクビレズタの生長率を高めることができた。またこの結果より高濃度CO2海水を利用することによって水温の変動や日照不足による生長量の低下を改善できる可能性を示唆することができた。
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SENAHA, I., & NAGAMATSU, K. (2017). Development of Macroalgal Onshore Cultivation System Utilizing CO 2. Journal of the Japan Institute of Energy, 96(9), 393–399. https://doi.org/10.3775/jie.96.393
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