The study on Change in Consciousness and Consensus Building in the Planning of Light Rail Transit in Utsunomiya

  • Ito M
  • Morimoto A
N/ACitations
Citations of this article
2Readers
Mendeley users who have this article in their library.

Abstract

1.はじめに (1) 背景・目的 LRT とは、Light Rail Transit の略で、低床式車両の活用や 軌道・電停の改良による乗降の容易性、定時性、速達性、 快適性などの面で優れた特徴を有する次世代の軌道系交通 システムである。また、近年、道路交通を補完し、人と環 境にやさしい公共交通として再評価されており、我が国の 多くの都市でその導入が検討されている。しかし、関係主 体間の合意形成やコスト負担等が原因となり、LRT 導入が 難航しているのが現状である。そのような中、2006 年富山 市では、富山港線の LRT 化が実現され、大きな成功と意義 をもたらしているが、完全なゼロからの新規路線という点 では、未だ実現されていないのが我が国の現状である。 そのような背景を受けて、 国土交通省は 2005 年 10 月 「ま ちづくりと一体となった LRT 導入計画ガイダンス」 1) を公 表し、欧米の先進事例や国内の検討事例などを参考に、計 画策定や合意形成に関する技術的助言を行っているが、各 都市の LRT 導入実現には至っていない。今後も、各都市の 具体の取り組みを継続的に蓄積し、より一層の進展と導入 実現に向けた議論が必要となっている。 以上の問題意識のもと、本研究では、10 数年もの間検討 がなされ、 我が国 LRT 導入のパイロットモデルとして期待 の大きい宇都宮市 LRT 計画(以下、LRT 計画)を対象とし て市民の意識変容に関する調査・分析を進め、今後の市民 合意形成に向けた検討の基礎的知見を得ることを目的とす る。 (2) 既存研究の整理と研究の位置付け わが国に LRT を導入する際の、 課題に関する既存研究は 多く見られる。例えば、国際交通安全学会の特集(2009) 2) では課題整理や制度上の問題から、各地方都市の実態や現 状などが報告されている。その中でも青山(2009) 3) は合意形 成の難しさを指摘しており、従来の道路整備における合意 形成とは異なったアプローチが必要であると述べている。 一方、 LRT導入の合意形成に関する研究も、 これまで様々 な研究が行われてきた。 対象事例ごとに整理すると、 まず、 富山市ライトレールを対象としたものでは、主に成功事例 としての既存研究 4) が多く存在し、我が国に大きな意義を もたらしている。また、全くゼロからの導入に挑戦する堺 市を事例としたもの 5) は、 市民合意形成に向けた市民意識 調査に特化した点に特徴がある。さらに、本研究の対象で もある宇都宮市を事例としたものでは、 古池(2009) 6) が LRT 導入の経緯を振り返りながら、計画の停滞は、行政主導の トップダウン方式と不十分な情報公開に原因があると指摘 している。また、加藤ら(2009) 7) は関係者からのヒアリング を通して、関係主体間の意識構造を把握した。しかし、こ のように合意形成に向けた意識把握が多くなされてきた一 方で、市民との直接的なコミュニケーションを通じた蓄積 に乏しい。数少ない事例として、齋藤ら(2009) 8) は、3DCG を用いて LRT のある将来都市像を市民に提示したが、 景観 としての評価を尋ねるに留まり、これらの情報提供が LRT 導入に対する意識や態度にどのような影響を与えたのかは 不明瞭な点が多い。 既存研究からも明らかなように、市民の「理解」や「賛 同」 を得ることが一つの合意形成上の目標だとするのならば、 外的刺激として効果的な情報を市民に提供した場合の意識変 容についての知見を得ることは重要であると考える。また、 それらの有効な情報提供を活用した市民合意形成の場を運営 し、 市民と主体者の信頼関係を築いていくことが重要である。 宇都宮市 LRT 計画における市民意識変容と合意形成手法に関する研究 Utsunomiya City is one of the front runners to introduce a new LRT system aiming to create an attractive and sustainable city. Recently, citizens' voices are increasingly reflected in the city planning process, and it is crucial to provide citizens with appropriate information of LRT. The purpose of this study is to examine the alteration of citizen's consciousness in the case of better understanding about the future image of LRT. Based on the acknowledgment, we propose the three-step planning processes with due consideration for the consensus building. According to the field survey in Utsunomiya, it is clear that the progress of citizen's comprehension promotes the attitude formation of pros and cons to the planning of LRT. Therefore, it is necessary to encourage the better communication among concerned parties with appropriate process.

Cite

CITATION STYLE

APA

Ito, M., & Morimoto, A. (2010). The study on Change in Consciousness and Consensus Building in the Planning of Light Rail Transit in Utsunomiya. Journal of the City Planning Institute of Japan, 45.3(0), 847–852. https://doi.org/10.11361/journalcpij.45.3.847

Register to see more suggestions

Mendeley helps you to discover research relevant for your work.

Already have an account?

Save time finding and organizing research with Mendeley

Sign up for free