本研究は、聴覚障害児へのインクルーシブな教育実践に関して、欧米の実践や調査研究をレビューし、その現状と課題を議論した。学業成績や学力および社会性や友達関係の観点から検討した結果、単に通常の学級にいることよりも、通常の学級での活動への参加やそれに伴う肯定的な経験が重要な契機になっていることが明らかになった。また通常の学級への参加を促進する取り組みとして、健聴児と聴覚障害児がともに学ぶco-enrollmentプログラムについて言及した。調査はまだ十分でないが、概して肯定的な成果が報告されていた。またco-enrollmentプログラムでの手話の活用に関して、モダリティ分離的取り組みとモダリティ混交的取り組みが比較され、言語入力の問題だけでなく,質的に高い相互交渉をいかに活発にさせるかの観点から考察を行った。
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TORIGOE, T. (2012). Review of Research on Inclusive Practices for Children Who Are Deaf or Hard of Hearing. The Japanese Journal of Special Education, 50(1), 87–96. https://doi.org/10.6033/tokkyou.50.87
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