上層木を強くすかした林地にコナラ果実を播き付け, 落葉被覆が実生の発生と成長に及ぼす影響を調べた。また, 圃場で, 落葉被覆が地表下3cmの土壌の温度とpF値に及ぼす影響を調べた。落葉被覆の影響は, 土壌のpF値に対して顕著であった。被覆量200gm^ 以下では土壌乾燥は急速に進んだ。一方, 400gm^ 以上では土壌乾燥は大きく抑制された。実生の発生率は, 被覆量90gm^ では5%であったが, 被覆量180gm^ および360gm^ ではともに40%を示した。1成長期を経た実生重は, 被覆量によって異なり, 360gm^ では180gm^ に比べ20%近く大きかった。実生重については, 果実重や実生発生時期のほかに, シュート伸長様式が関与しており, 落葉被覆は実生発生時期と二次伸長の促進にかかわっていた。厚い落葉被覆は, 実生発生時期を遅らせるが, 二次伸長を促進した。厚い落葉被覆がもたらす土壌の湿潤性が, 二次伸長の促進を通して, 実生の成長量を増加させると考えた。
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ABE, N., & HASHIMOTO, R. (2005). Effects of litter covering for Quercus serrata Thunb. acorns on emergence and growth activity of seedlings. Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology, 30(4), 632–638. https://doi.org/10.7211/jjsrt.30.632
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